これは3週間前の5月9日に起こったお話。
伊豆諸島・八丈島より、石野です。
その日、八丈で最も人気のあるナズマドというビーチポイントでは、
激しい沖出しの潮がかかっていました。
このナズマド。
昨年末にクジラ騒動が起きた場所でもあります。
同じポイントで、今度は岩に捕まっていられないほどの激流が起きていました。
中層で泳ぐ魚の群れは潮に翻弄されてグチャグチャ。
あれほどまで激しい流れが起きることも、
スーパービーチ・ナズマドといえど滅多にありません。
この流れは表層の水を全て持ち去るがごとく、どんどん沖へ運んでいきます。
そうして表層からなくなってしまった水を補うために、
ナズマドの沖、水深400mを超える深海から湧昇流が発生したのです。
あれだけの潮がかかっていたので、
深場から昇ってくる潮も相当の強さだったことでしょう。
おそらくは自らの意思に反して、こんな魚が潮に乗ってやってきました。
日本産魚類検索 第三版に載っているムネエソ科の魚に
写真から分かる特徴を照らし合わせて同定した結果、
中深層(-200〜1,000m)に生息するトガリムネエソだと思われます。
現在、専門家に同定を依頼中ですが、
種がどうのこうの以前に何がすごいって、、、
ムネエソ科を含め深海生物に特有の発光器官がとにかくすごい。
この魚でいうと腹部と背面に並ぶ、丸や点、楕円の形をしたものがそれです。
暗黒の深海で同種間でのコミニュケーションに利用していると考えられているようですが、
この発光器。ライトを当てるとその光を反射してビッカビカに輝くんです。
HOTけNIGHTでもハダカイワシの仲間が出没することがあります。
それが、まさか日中に見られることがあるなんて。。。。
驚きの出会いでした。
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