
西表島のまさひろです。
昨年の今頃は低水温に悩まされていましたが、
今年はすでに水温が23~24℃と、例年よりも温かい西表。
太陽が出てれば、もう5mmでも潜れそうなくらい、
海のコンディションは抜群です♪
特に2月末はいい天気が続いたので、
満潮の時間を狙ってマングローブの写真を撮りに行ったりもしました♪
この調子で3月も・・・と言いたい所でしたが、3月に入った途端毎日雨です。。
最近は全国的に天気がコロコロ変わりやすいですが、
沖縄でも2~3月頃は、天気や風向きがコロコロ変わる事が多いんです。
この事を沖縄の方言で【ニンガチカジマーイ】と言います。
方言ではない言葉で書くと『2月風まわり』。
昔から天気や風がコロコロ変わりやすい季節なので、急な大シケなどに注意が必要と言われています。
みなさんも寒暖差で体調を崩さないように気を付けて下さいね!!
さて、今回のブログはちょっと真面目な事を書きます。
というのも、この時期はまだゲストの数も少なめなので、
ダイビング組合のメンバーで集まって「オニヒトデ退治」をよく行います。
正式には『サンゴ礁保全活動』という名で行われていますが、
オニヒトデの駆除作業(以下:オニ退治)って、一体どんな事をしてるんですか?
と聞かれる事もあるので、実際どんな感じで行われているかをちょっとだけご紹介してみようと思います!!
普段あまり聞けない事もあると思うので、これをきっかけに少しでもオニヒトデの事を気にしてくれたら幸いです。
こちらが今回主役?のオニヒトデ。
全身がトゲに覆われていて、いかにも痛そうな風貌をしてますよね。
しかも毒ありなので、迂闊に触らないように注意も必要です。
みなさんも水中でこの姿を見かけたら、要注意です。
オニ退治をする際、1番参考になるのがこの『食痕』と呼ばれる、サンゴの部分白化です。
サンゴ全体が白化してる場合は別な理由も考えられますが、
一部だけが白化しているサンゴは、オニヒトデの被害にあった可能性が高い場所と言えます。
オニヒトデは基本夜行性なので、昼間はサンゴや岩の裏にいる事が多いです。
食痕がある所を中心に丹念に探すとオニヒトデがいる事があるので、
見つけ次第「引っかき棒」で引きずり出します。
オニヒトデを見つけたら、まずは大きさを確認します。
目安としては、手のひらより大きいか小さいか。
手のひらより小さければ、引っかき棒や指示棒、まわりにある石で駆除します。
この時に注意しなければいけないのが、駆除する時の大きさ。
オニヒトデは全体の30~40%が残っていれば、再生してしまうと言われています。(諸説ありますが)
なので中途半端に駆除すると、そのまま分裂して再生してしまう可能性があるのです。
オニヒトデを駆除するなら『徹底的に』やらなければいけません。
手のひらより大きいオニヒトデに出会ったら、『酢酸』を注入して駆除していきます。
昔はカゴやバケツなどにオニヒトデを回収し、
陸に上げて土に埋めるという方法で駆除をしてたんですが、
最近の研究でお酢に弱い事が判明し、注入すると溶けてなくなるという事が分かりました。(濃度にもよりますが食用のお酢でも可)
これにより、回収作業や陸揚げ作業、土に埋める作業等が一気に解消され、作業の効率もグーンと良くなりました◎
おまけに安全面も格段に向上してるので、いい事づくしです♪
ただ、この酢酸注入もいくつか注意点があります。
1番肝心なのが、酢酸をちゃんと体内に注入する事です!!
上の写真のように、縦に刺してもすぐに針が貫通してしまい、効果がありません。
なので、こうして横向きに針を刺して、
ちゃんと体内に酢酸が行き届くようにする事が大切なのです。
オニヒトデの大きさにもよりますが、基本は4分割した所から数回注入していきます。
すると、数日後には溶けてなくなってしまうとの事です!!
こうして地道に探して駆除していくのがオニ退治の内容です。
水温が26℃を超えると産卵をし始めるとの事なので、
水温が上がる前のこの時期に集中的に駆除作業をやる事は
1番タイミングが良いとされていますが、
もちろん上の写真のように、オニヒトデを住処にする生物もいるので、
完全に駆除してしまうのはよくありません。
あくまでも『大発生』を防ぐための一環として、駆除作業が行われているという事です。
サンゴは魚たちの住処であり、餌場でもある上に、
酸素も生成する、まさに水中のオアシスです!!
サンゴが無くなれば魚も居なくなってしまうので、
水中にサンゴが必要なのは言うまでもありませんが・・・
オニヒトデや人的被害、台風などの天災によってサンゴが減ってきてるのもまた事実です。
僕たち1人1人が意識をして、サンゴを触ったり乗っかったりしないようにする事。
そしてオニ退治も可能な範囲で行っていく事が大事なのかなぁと思います。
これからもこの景色がずーーーっと見れるように、僕たちの手でこのサンゴを守っていきましょう!!
まさひろ