
こんにちは!
本日は柏島より田中翔がお届けします。
現在の柏島の水温は24℃を前後しております。
6月に入り、生物の繁殖行動も激しさを増してきました。
クマノミは2回目の産卵、卵守りに入り、早いペアだと3回目に入っています。
イナズマヒカリイシモチ、ジョーフィッシュ、キンセンイチモチなどは口内保育をはじめ、ガラスハゼの産卵も始まりました。
各スズメダイも繁殖時期に入っています。
比較的簡単に求愛や産卵の様子を観察できる「コガネスズメダイ」。
コガネスズメダイは、まずオスが産卵床を作り、作り終わると今度は、その産卵床の上でシグナルジャンプという求愛を行います。
コガネスズメダイのシグナルジャンプはハナダイ、ベラのような華やかさはなく、どちらかというとロボットダンスです。(笑)
中層で頭を下にしてカクカクという表現がぴったりな泳ぎ方をしてメスを誘います。
そんな不器用なオスの求愛を受け入れたメスが産卵床を訪れ、産卵を行います。
産卵は日中に行われることが多いので、この時期は狙っていけば、外すことは少ない生態シーンかなとも思っています。
コガネスズメダイは岩肌や岩のトップに産卵することが多いので、卵は他の外敵から襲われ易くなります。
この時期のコガネスズメダイは、卵を守ることに必死で、近くを通ったダイバーにも攻撃をしてくるほどです。
環境による卵の安全が保障されていない分、親が攻撃的にならないと守っていけません。
また卵が危険にさらされている分、卵を産む密度(重なり合うように産んで)を濃くして外敵から卵を守っている感じが見てとれます。
他にもミツボシクロスズメダイ、ナガサキスズメダイなどは似たような環境に産むのでこの時期の親は凶暴です。
こちらはハッチアウトの日を間近にひかえたセダカスズメダイの卵。
このセダカスズメダイも卵を産んだ時には、隣同士隙間がないくらい、かなりの密度で岩肌に産み付けます。
ただ、小さな可愛いギャング集団に見つかってしまうとかなりの数卵を食べられてしまうのです。。。
その正体は「メシマウバウオ」または「メシマウバウオ属の1種」
すみません。どちらになるのわかりません。
小さな可愛いギャング集団
セダカスズメダイが卵を守っているすぐ近くに陣取り、スキをみて卵を物凄い勢いで食べにきます。
皆様にも是非見て頂きたいシーンです。
ほんと可愛いんですけどね。。。(笑)
今日もどこかでセダカスズメダイとメシマウバウオの熾烈な争いもくり広げられているでしょう。
また次回は違う生態シーンご紹介させて頂きます!